キッチン用品の中でも使用頻度の高いものといえば、「フライパン」が挙げられます。
最近は、その使い勝手の良さからフッ素樹脂加工(テフロン加工)されたフライパンを使っているという家庭が圧倒的に多くなっています。
このフライパンは食材がくっついたり、焦げ付いたりしにくく、洗うときも汚れが簡単に落ちるという点で人気ですが、コーティングが劣化しやすく、他のキッチン用品よりも買い替えの頻度が高いという欠点もあります。
ですが、使い方やお手入れ次第で、フライパンの寿命をもっと延ばすことが可能です。
今回はフッ素加工のフライパンについて基本的なお手入れ方法と、長持ちするフライパンを購入するコツなどを紹介します。
私たちがフッ素樹脂加工のフライパンを購入するとき、そのコーティングのネーミングの多さに迷うことがあります。
「フッ素樹脂コート」、「テフロン」、「マーブルストーン(マーブルコート)」、「ダイヤモンドコーティング」、プラチナストーン」などさまざまな種類が売られています。
これってどう違うの?って思いますよね?
実はこれらはすべてフッ素樹脂がコーティングされたフライパンです。
フッ素樹脂は柔らかい素材であり、キズが付きやすいため、耐久性を高めるために粒子の硬い素材を混ぜていることがあります。
その素材の違いや何層でコーティングしているかで、各社でネーミングを変えているのです。
つまり、マーブルストーンは大理石の粒子、ダイヤモンドコーティングは工業用ダイヤモンドの粒子を混ぜてコーティングし、強度を高めています。
また、「テフロン」ですが、これは、アメリカのデュポン社が最初にフッ素樹脂加工技術を開発し、その商品に付けられた商品名(ブランド名)になります。
そのため、テフロンと書かれて販売されているフライパンは、「デュポン社製のフッ素樹脂コートを使用しているフライパンである」ということになります。
フッ素樹脂加工のフライパンには他社が開発したものもありますが、これは正確には「テフロン」とは呼びません。
ですが、私たちはこのような金属のフライパンに多層コーティングを施した製品を総称してテフロンと呼ぶこともあります。
それではフッ素樹脂加工のフライパンの寿命を少しでも長持ちさせるための5つの方法を紹介します。
①できるだけ中火以下で使う(空炊きや高温調理はしない)
フッ素樹脂加工のフライパンに一番ダメージを与える行為は空炊きや空焼きです。
フライパンを高熱にさらしてしまうと、コーティングが劣化して剥がれやすくなってしまいます。
調理は最高でも180℃まで上げれば大抵のものは調理できます。
フッ素樹脂加工のフライパンを使う際は、温度を早く上げようと空のまま強火にしたり、強火で高温調理したりしないように注意しましょう。
調理する際は、必ずフライパンに水や油、具材を入れてから点火します。
フライパンの火加減の目安は、底に火が当たるか当たらないかくらいの中火と覚えておくといいでしょう。
②コーティングをキズつけないように注意する
コーティングにキズがつくと、そこから皮膜が剥がれてきてしまいます。
金属ベラ使用可能と書かれた商品であっても、できるだけ木べらやシリコン樹脂製のへらを使いましょう。
スポンジは柔らかいものを使い、研磨剤入りのスポンジや洗剤は使わず、ゴシゴシと強くこすって洗うことがないようにしましょう。
フライパンに焦げ付きが残ってしまった場合は、ぬるま湯などを入れてしばらくすれば汚れが柔らかくなり落としやすくなります。
③急速冷却しないこと
熱くなったフライパンに水をかけるなどをして、急速冷却をするとコーティングが傷む原因になりますので、フライパンを洗う際は必ず冷ましてから洗うように心掛けましょう。
④フライパンに食材を入れたままで保存しない
食材をフライパンに入れたまま長時間保存をすると、コーティングの表面にある小さな穴から塩分がしみ込んできて、下地の金属を腐食させてしまうことがあります。
そうなってしまうと、そこからコーティングが浮き上がって剥がれの原因になってしまいます。
一時的であれば問題ありませんが、食材を一晩フライパンに入れたまま冷蔵庫で保存するなどはNGです。
⑤食洗器は使わずに必ず手洗いで
食洗器専用の洗剤を使って勢いのある高温水で洗うことは、コーティングに負荷がかかることがあります。
食洗器を使えば簡単に汚れを落とすことができますが、面倒でも柔らかいスポンジを使って優しく手洗いすることがコーティングを長持ちさせるコツです。
フッ素樹脂加工のフライパンの寿命はおよそ2年といわれていますが、大事に使えばもっと長く使うことができます。
とはいうものの、もっと長く使いなるべく購入頻度を減らしたいですよね。
そのためには、購入するときにもいくつかのポイントがあります。
フッ素樹脂加工のフライパンといってもその価格はピンキリです。
1000円しないものもあれば5000円近くするものまで売られています。
それは、「コーティング素材」、「何層コーティングされているか?」、「ブランドの価格」などで違ってきます。
ブランドはともかくとして、ダイヤモンドやセラミックなどの硬い素材を混ぜてコーティングしたものやコーティングの回数が多いものが比較的耐久力が高くなり、値段も高くなるという傾向があります。
つまり、ずっと長く使いたいのであれば、できるだけ値段の高いフライパンを購入すれば長持ちする可能性があります。
また、これは私個人の感想なのですが、無名メーカーのものよりも有名なメーカーのフライパンのほうが技術的に質がいい気がします。
コーティングの良さは見た目では分かりにくいので、どちらを購入するかで迷ったら有名メーカーのものを選んだほうが間違いないでしょう。
また、普段どのように使い、どのようにお手入れできるかで購入するフライパンの価格帯も決まってくるかと思います。
いくら値段の高い質の良いフライパンを購入しても、間違った方法で使用し続ければ早く劣化してしまいます。
もしも、かなりの頻度でフライパンを空炊きしてしまったり、食材を焦がしてしまったりするのであれば、高いフライパンは購入しないほうがいいかもしれません。
一番安いフライパンを購入して、買い替えを頻繁に行ったほうが賢いと思われます。
このように「普段自分はフライパンをどのように扱っているか?」で、購入すべきフライパンの価格帯を考えてみましょう。
「今まで雑に扱っていたけれど、これを機会にもっと注意をしてフライパンを扱いたい」というのであれば、思い切って次の購入は値段の高いフライパンを購入してみてはいかがでしょう。
高い商品であれば、もう雑に扱うことも無くなるかもしれませんね。
最後に、フライパンを購入する際にもう1点チェックして欲しいところがあります。
それは、フライパンの内側のコーティング面のキズの有無と塗装のムラです。
「少しくらいのキズたムラであれば問題ない」と購入してしまうと、そこをきっかけにしてコーティングが剥がれてきます。
コーティング全体をチェックして、全くキズやムラの無いものを選びましょう。
毎日大活躍のフッ素樹脂加工のフライパンですが、今まで「長くても2、3年ぐらいが寿命だよね・・・」と諦めてはいませんでしたか?
前述した5つの方法を守れば、フライパンの寿命をもっと延ばすことができるかもしれません。
もし、今まで間違った扱い方をしていたなら、今日から早速やり方を見直してみてください。
買い替えの頻度が確実に低くなったと感じるときがくると思います。
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