最近では新型コロナウイルスの感染の心配もありますので、子供用品は特に清潔に保ちたいと考えているママも多いことでしょう。
特に気になるのは、子供が触れたり舐めてしまったりするかもしれないオモチャの除菌です。
新型コロナウイルスにはアルコール除菌が有効だといわれていますが、アルコールで拭いたオモチャを子供が舐めてしまっても大丈夫なのでしょうか?
そこで、新型コロナウイルス対策できる消毒用アルコールの濃度と、製造過程、子供への安全性などについて調べてみました!
消毒用アルコール(消毒用エタノール)は無水エタノールを水で希釈したもので、新型コロナウイルスに効果のある濃度の消毒用アルコールは70%以上のものだとされています。
ですので、消毒用アルコールと書かれた製品でも濃度が70%よりも低いものに関しては、一般細菌などは除菌できる場合があっても新型コロナウイルスには効果があまり期待しないほうが良さそうです。
水で薄めていない無水エタノールには、非常に高い殺菌力や汚れ落としの効果があります。
また、すぐに蒸発してしまうという特徴も持っていますので、水を使用できない精密機械の清掃などに使われています。
そこで、無水エタノールが新型コロナウイルスに有効だと思えるのですが、このウイルスは15秒以上薬剤に触れていないと不活性化できないという特性があります。
つまり、すぐに蒸発してしまう無水エタノールでは効果を期待できないのです。
そのため、エタノールを除菌目的で使う場合は、すぐに蒸発してしまわないように無水エタノールに水を入れ、ゆっくりと蒸発する薬剤(消毒用エタノール)にして使用することになります。
市販の消毒用アルコール(消毒用エタノール)の製品をいろいろと見ていると、値段の安いものと高いものがあることに気づきます。
この値段の違いはエタノールの製造原料の違いにあるようです。
飲料として売られているお酒にはアルコール(エタノール)が含まれていますが、このエタノールは自然の力を利用したアルコール発酵によって造られています。
お酒の原料となるものは、ラム酒のサトウキビ、バーボンウイスキーのトウモロコシ、ビールや、ウォッカ、焼酎の大麦やいも類などがあります。
これらの飲料用アルコールは第一級アルコールですので、酒税がかるため値段が高くなります。
一方、世の中には飲料としては使用できない工業用のエタノールもあります。
工業用エタノールは天然資源であるエチレン(石油化学製品)を原料にして化学合成によって造られています。
工業用エタノールは化学的には自然由来のエタノールとの違いはありませんが、飲料としては使われずに、化粧品やシャンプー、洗剤、塗料などに使われています。
理論上は工業用エタノールも飲むことができるので、「酒税のかからない安いお酒ができるのではないか?」と想像してしまいますが、その製造工程を理解すればやめておいたほうがいいとすぐに気付くはずです。
工業用エタノールはその製造工程で、濃度を極限まで高めるために「ベンゼン」という化学薬品を添加する必要があります。
ところがこのベンゼンには、人体にとって発癌性が高いといわれている有害物質です。
基本的には工業用エタノールにベンゼンは残留しないように加工されていて安全ではありますが、飲料としては飲むべきものではないと考えるべきでしょう。
そこで本題の子供のオモチャなどの除菌ですが、アルコールで除菌する場合は少し値段が高くなってしまっても植物由来の消毒用アルコールの使用がいいと思われます。
お店で植物由来の消毒用アルコールを購入したい場合は、まずはボトルに書かれている商品説明を確認してみましょう。
キッチン用やベビー用と書かれているものであれば、工業用エタノールは含まれていることはなく、万が一口にしても安全だと思われます。
ですので、子供のオモチャを除菌する消毒用アルコールを購入するときは、安全性を考えてしっかりと内容を確認してから購入することをおすすめします。
子供が舐めたりすることがない身の回り品の消毒には、安価で購入できる「塩素系漂白剤」がおすすめです。
塩素系漂白剤は、ハイター、ブリーチ、ビューラックスなどの商品名で販売されていて、スーパーやドラッグストアなどで簡単に手に入れることができます。
塩素系漂白剤は用途に応じて希釈して使用します。
塩素系漂白剤溶液の作り方と清掃方法は以下のとおりです。
【身の回り品を消毒するための塩素系漂白剤溶液(次亜塩素酸ナトリウム溶液)の濃度と作り方】
●ドアノブ・手すりなどの清掃は濃度0.05%。
希釈方法は500mlの水道水に塩素系漂白剤を5ml(ペットボトルキャップ1杯分)を入れます。
尚、吐しゃ物が付着した床などには、もう少し濃度の高い溶液での除菌が必要です。
●吐しゃ物が付着した床やトイレなどの清掃は濃度0.1%。
希釈方法は500mlの水道水に塩素系漂白剤を10ml(ペットボトルキャップ2杯分)入れます。
【注意点】
塩素系漂白剤の希釈液は、新型コロナウイルスやノロウイルスにも対応できますが、デリケートな素材に使うと変色や劣化の可能性があります。
そのため、この薬剤を使用して清掃したあとは、必ず水拭きをしましょう。
また、手指や子供が舐める可能性のあるオモチャの除菌にはこの薬剤は使用できません。
清掃をするときは必ずゴム手袋とマスクを使用しましょう。
古くなった製品は効果が低くなっている可能性がありますので、できるだけ新しいものを使用するようにします。
また、一度水で薄めた塩素系漂白剤も時間が経つと効果が低くなってしまいます。
ですので、希釈溶液を作ったらなるべく早めに使い切ってしまいましょう。
いかがでしたでしょうか?
新型コロナウイルス対策として、手指の消毒や子供が舐めてしまうかもしれないオモチャの除菌には、植物性由来の消毒用アルコールがおすすめです。
ですが、消毒用アルコールばかりに頼って、あれやこれやと吹きかけるのもコストがかなりかかってしまいます。
そこで、洗えるオモチャであれば、洗剤を使ってザブザブと洗って天日干しをしましょう。
洗うだけでも、ウィルスや細菌をほとんど落とすことができますし、オモチャもさっぱりとキレイになります。
さらに日光を当てることで、きっちりと除菌できます。
消毒用アルコールは、「洗えないもの限定で使う」というスタンスで使っていくのが一番いいと思われます。
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