梅雨の季節が始まると天気の良い日は気温がグッと高くなり、夏はすぐそこという感じになります。
この時期になると、もう冬のように風邪をひくことはないと思いがちですが、子供たちの間ではすでに夏風邪の流行が始まっています。
夏風邪の代表的なものには、手足口病、ヘルパンギーナ、プール熱(咽頭結膜熱)などがあり、「子供の三大夏風邪」とも呼ばれています。
これらは気温が高くなると活動的になるウイルスの感染症で、発熱やのどの痛みなど冬の風邪と似たような症状が出るものもあります。
夏風邪の特効薬というものは特にありませんが、医師の診察を受けて適切な処置を行えば1、2週間ほどの安静で完治するケースがほとんどです。
ですが、まれに髄膜炎や脳炎などに重症化してしまうこともありますので油断は禁物です。
いつもと子供の様子が違うなと感じたら、まずはすぐに医師の診察を受けるようにしましょう。
それでは子供の三大夏風邪について、それぞれの特徴を簡単にご紹介します。
「手足口病」は2~3歳の幼児に多く発症し、38~39℃くらいの高熱が出ます。また、手の平や足、口の粘膜などに小さな水泡が出るという特徴があります。
「ヘルパンギーナ」の場合は0~4歳の乳幼児に発症することが多く、37~38℃前後の発熱が出ることがあります。
上あごの奥に口内炎のような1mm~数mmの小さなプツプツができ、のどの痛みなどで食欲が落ちてしまうことがあります。
「プール熱(咽頭結膜熱)」は1~5歳頃の幼児に多く、プールの水を介して感染することが多いことからプール熱と呼ばれるようになりました。
ですが、プール以外でも咳やくしゃみ、接触、タオルやハンカチの共用などからも感染する可能性はあります。
症状は高熱、のどの痛み、扁桃腺の腫れ、目やに、充血などの特徴があります。
いずれの夏風邪の場合も、のどの痛みや発熱などで食欲が落ちてしまう可能性がありますので、食事にはひと工夫が必要です。
食欲が無いときは無理に食べ物を食べさせる必要はありませんが、水分補給だけはしっかりと行っていきましょう。
特に発熱や下痢、嘔吐などがある場合は、いつもより体から水分が出ていく量が多いため脱水症状になりやすくなっています。
比較的元気であれば「水」や「湯冷まし」、「麦茶」、「ほうじ茶」などで水分補給を小まめに行い、ぐったりとしているようならば「幼児用イオン飲料」や「経口補水液」などで体に水分が吸収されやすいものを積極的に与えるといいでしょう。
気温が高い日の発熱であれば、飲み物を少し冷やしてあげると飲みやすくなります。
オレンジジュースなど柑橘系の飲み物は、吐き気や下痢を誘発したりのどに刺激を与えたりすることがあります。
そのため、病気が回復するまではジュースや炭酸飲料などは控えたほうが良いでしょう。
また、食事は普段よりも胃腸に負担がかからない消化のよいものを与えるようにします。
のどが痛いなどの症状がある場合は、飲み込みやすいように料理にとろみを付けるなど工夫すると食べやすくなります。
子供が夏場に風邪をひいて「寒気がする」と言っている場合は、衣類や布団などを増やして体を温めてあげましょう。
その後、熱が出てきたら体を温めることは止めて、今度は氷のうや水枕などで脇の下や首周り、太ももの内側などを冷やしてあげましょう。
それでもまだ暑くて寝苦しいようであれば室内の温度をいつもよりも低めにして、快適に過ごせるようにします。
発熱した場合は、むやみに解熱剤を子どもに飲ませてしまうと、かえって風邪の治りが遅くなることがあります。
病気に気づいたらすぐに受診し、解熱剤は医師の指示の下で与えるようにしましょう。
熱があっても38℃以下で元気があれば入浴はOKですが、普段より体力が落ちていますので長湯は禁物です。
湯船に入らずにシャワーだけにするなど、短時間の入浴を心掛けましょう。
特に下痢をしておしりが赤くなっている場合は、座浴だけでも行うと衛生的で治りもよくなります。
子供が元気になり病気が回復しても、ウイルスはまだ数日間は体内に存在します。
そのため、しばらくは子供の周辺の物にウイルスが残っている可能性があると思っていてもいいかもしれません。
他の子供に感染させないためにも、病気が回復してもしばらくは手洗いを徹底し、ハンカチやタオルを共用しない、一緒にプールや湯船に入らないなどの気遣いをしましょう。
いかがでしたでしょうか?
夏風邪は冬風邪よりも比較的軽く終わってしまうことも多く、知らぬうちに感染していたというケースもあります。
ですが、夏風邪の場合でも重症になることがたまにあります。
そうならないためにも普段から子供の様子を細かく観察し、いつもと違うと感じた場合はすぐに受診するようにしましょう。
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